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特定建設業許可を取得するには

以前建設業許可には一般建設業許可と特定建設業許可の2種類の許可区分があることは説明させていただきましたが、改めての区分の違いについて確認をさせて頂きます。

 特定建設業許可は、元請の立場で下請業者に4,000万円以上の工事を発注する場合に必要な許可になります。従いまして、下請に4,000万円未満の工事を発注する場合は一般建設業許可でも良いということになります。

 

 特定建設業許可が必要になる工事というのは規模が大きく、工事期間も長く、多数の下請け業者が関わる複雑な工事になります。そのため、許可取得には一般建設業よりも厳格な基準が設けられております。

専任技術者について

以前の記事でも触れました専任技術者の設置要件についてですが、この特定建設業許可の場合、原則「1級資格」が必要となってきます。

そのため2級建築士では建築工事、大工工事、屋根工事、タイル工事、内装工事の一般建設業許可を取得することは可能ですが、特定建設業許可の許可取得ができません

 

逆に1級建築士資格がある場合は上記工種の一般建設業許可のみならず特定建設業許可の専任技術者にもなれるということになります。

1級の資格を持っていない場合

 1級の資格がない場合は、指導監督的実務経験を有する者の証明することによって特定建設業許可の専任技術者になれるケースもあります。

「指導監督的実務経験」とは、建設工事の設計、施工の全般にわたって工事現場主任や現場監督者のような資格で工事の技術面を総合的に指導監督した経験のことをいいます。

 

 証明する内容としては、「土木工事」「電気工事」「管工事」「鋼構造物工事」「舗装工事」「造園工事」の7つの工事(指定建設業)を除いて、一般建設業の許可を受けようとする場合の専任技術者要件を満たしている者で、かつ、許可を受けようとする建設業に関して、発注者から直接請け負い、その請負代金の額が4,500万円以上であるものについて2年以上指導監督的な実務経験を有する者の証明する必要があります。

指定建設業とは

施工技術の総合性、施工技術の普及状況、その他の事情等を勘案して定められた業種で、現在、次の7業種が「指定建設業」として定められています。(建設業法施令第5条の2)

 

指定建設業の工種:土木工事業、建築工事業、電気工事業、管工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業、造園工事業

また、上記の指定建設業についての専任技術者については上記の「指導監督的実務経験を有する者の証明」では専任技術者にはなれません。

 

しかし、大臣特別認定者「建設省告示第128号(平成元年1月30日)の対象者」について、指定建設業7業種に関して、過去に特別認定講習を受け、当該講習の効果評定に合格した者若しくは国土交通大臣が定める考査に合格した者については専任技術者の要件を満たすことになります。ただ、特別認定講習及び考査については、指定建設業制度が導入された際に行われたものであり、現在は実施していません。

上記より、「指定建設業」の特定建設業許可を取得するためには1級」の資格大臣特別認定者しか専任技術者になることができません。

産的要件について

一般建設業許可の財産的要件については

・自己資本が500万円以上あること

500万円以上の資金調達能力を有すること

・許可申請直前の過去5年間許可を受けて継続して営業した実績を有すること

のいずれかに該当すること。

以上が要件となっております。

特定建設業許可の財産要件については

・ 欠損の額が資本金の20%を超えていないこと

・ 流動比率が75%以上であること

・ 資本金の額が2,000万円以上であり、かつ、自己資本の額が4,000万円以上であること

 

以上のすべてに該当することが要件となっております。

やはり、多くの下請け業者に協力いただきながら規模の大きい工事を遂行していかないといけないという責任性に加え、自社の健全な経営も行っていかなければならないこと、そして、下請業者への工事代金の支払い(工事の目的物の引渡しの申し出がなされてから50日以内に下請代金を支払う義務)、等を行っていかなくてはならないため、一般建設業許可よりも厳格な要件のクリアが必要となるわけです。


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